特別な技術

長い伝統が築いた日本独自の建築技術

神社やお寺といった伝統的な宗教建築は、長い歴史に裏打ちされた独特な美しさや荘厳さをたたえていますが、あのような建築物を専門に手がける人たちのことを宮大工といいます。 宮大工の歴史は遠く飛鳥時代にまでさかのぼると言われています。仏教伝来とほぼ同じくして仏教寺院の建立に必要な技法が大陸から伝えられ、その後長い年月をかけて日本独自の技術体系を確立していったとされています。 寺社建築には宗教的意味を伴った独特の様式があり、また建材や工法も細かく指定されています。宮大工は代々の継承によってこうした特色を知悉し、それに見合った建築技術を有しています。たとえば国宝級の貴重な建築物でも、現代になお生きる宮大工の技術があって初めてその姿を保っていられるのです。

文化財の調査・修復等も手がける

現在、宮大工の数は全国で数十人ほどと言われています。その数は減少傾向にありますが、中には法人組織を設立するなどして後継者が育ちやすいような環境作りに努めている例も見られます。またかつての宮大工の世界は施工にあたって一切図面を用いず、技術の伝承も口伝えのみといった多分に閉鎖的な側面がありましたが、現在ではコンピュータグラフィックスを取り入れるなど最新技術との融合を図る動きもあります。 主たる業務は今もほとんどが神社やお寺関連の建築ですが、新築と並んで改修工事を手がけることが多くなっています。また、大学の研究室などと共同で歴史的建築物の学術調査に関わることもあります。市中の一般建築を扱う機会はあまりありませんが、庭にしつらえる小さな祠などを手がけることはあります。